【2014年度 総会、シンポジウム盛況のうちに終了しました】

設立から15年目となる第16回目見世物学会総会、盛況のうちに終了いたしました。
 たくさんの方々のご来場、誠にありがとうございました。
 シンポジウム第一部は、見世物小屋の現況について共有するため、大寅興行社、安田興行社、西村興行社の三社の代表より21世紀現在の活動状況を語ってもらうシンポジウムとなりました。貴重な無形の文化である仮設興行=見世物小屋が、現在そして未来にむけて展開するのを後押しするための体制や方法について、なるべく具体的な検討を加えて行くことを目指しました。安田興行社の試みとしてまず絵看板やこれまで舞台で使用されてきたモノなどの展示の可能性を。西村興行社の試みとして、東日本大震災時における露店市再現の実践の報告を。また、大寅興行社の試みとしてパフォーマンス集団との協働によるユニークな後継者育成の例を中心にお話いただくことができました。
 そして、大駱駝館主催、麿赤兒さん、それから小劇場運動や現代のパフォーマンス集団について実践を兼ねた評論活動を行ってこられた梅山いつきさんをパネリストに迎えた第二部、『見世物と舞踏・演劇』。土方巽アーカイヴ森下隆さんの司会のもと、土方と活動をともにしたさまざまな方の貴重な証言が各所で語られ、土方の『かたり』の肉声、パンフレットに掲載した貴重な写真など非常に興味深い資料も示されただけでなく、野外演劇と見世物興行が共通して直面する問題なども話題に上りました。土方の思想や、舞踏・演劇という表現を“見世物性”という観点から見つめ直すことでこれまでにないイメージが立ち現れた、非常に有意義な時間となりました。
 特別展示として、森下さん監修構成による映像インスタレーション、写真、舞台で使用した大道具小道具などの貴重な資料と、写真家・民俗学者の内藤正敏さんが1970年に撮影し見世物小屋とともに巡業して展示した貴重な作品を再構成してご覧頂きました。土方の生々しい息づかいが感じられるかのような資料と、被写体の向こう側に潜む根源的なエネルギーをあぶり出すように定着した写真群と、精彩な歴史分析から見世物の核心を透視するかのような解説は非常に興味深く、示唆に富んだものでした。
 会場をいっぱいの多数の来場者にお越し頂き、企画の拙さにもかかわらず望む以上の成果を得られたイベントとなりました。誠にありがとうございました。末筆ながら、ご登壇いただいた興行社三社およびゲストパネラー各位、今後の見世物小屋の活動を後押しするうえでの重要なご指摘をいただいた鵜飼正樹さん、企画段階でさまざまな示唆をいただいた夏目琢史さん、すばらしい作品と論考を寄せていただいた内藤正敏さん、そして今回の企画を恊働で作り上げていただいた森下隆さんと慶應義塾大学アート・センターのみなさまに、事務局から深く御礼を申し上げます。  (事務局: 門伝、細田)

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