【2012年度の総会報告】—@武蔵野美術大学

第一部 天井桟敷から見世物の現在までを、徹底的に語り尽くす

詩人、演劇人の寺山修司はかつて「見世物の復権」を唱え、演劇実験室天井桟敷を主催しました。1960年代から1970年代にかけての小劇場運動と呼ばれるムーブメントのなかでも、天井桟敷は他の追随を許さない人気を博しており、またその活動は1980年のパリ講演の成功をはじめとするような、グローバルなひろがりを持っていました。その広い活動領域とあわせ、天井桟敷を語る上でしばしば言われることは、活動の旗印ともなって「見世物の復権」です。見世物の驚きと刺激に満ちた体験を演劇活動のなかに取り込んでいこうという計画のもとで、市街劇やハプニングの手法を取り入れた演劇実験が当事数多く行われています。 見世物学会にとって面白いのは、この時期、演劇実験室天井桟敷が。社寺仏閣での仮設興行つまり見世物小屋との出会い「現実に」生み出していたという事実です。1968年代の若者文化全盛期のころで、新宿厚生年金会館での舞台(「怪談 青ひげ」)に見世物小屋の太夫(藤平興行社 狼女愛子)が特別出演していたことを、私たちはいつの日か知るところとなり、そのわくわくするような舞台を見てみたいと想像するようになったのです。第14回見世物学会記念講演では、寺山修司夫人寺山今日子氏をお招きし、当事の小劇場運動および演劇実験室天井桟敷についてお話いただきました。コメンテーターは、「イタリアのアバンギャルド」などの著書のある演劇評論家、田之倉稔(見世物学会)がつとめました。

写真上;左から九條今日子氏(テラヤマワールド)、田野倉稔(見世物学会)、笹目浩之氏(ポスターハリスカンパニー)
写真左;当時のシルクスクリーン印刷のポスターを6点展示。

第2部 見世物小屋のゆくえ

二部では「見世物小屋のゆくえ」と題し、今後の見世物小屋のありかたをさぐる座談の場を持ちました。現存する最後のオートバイサーカス(株)ワールド・オートバイ・サーカスで活動する藤田昭範代表と、松坂屋興行社若者であり、元吉本オートバイサーカス選手坂本健二氏をお招きし、仮設興行の今後の展望、期待をお話いただきました。聞き手は坂入尚文(見世物学会)がつとめました。


坂入尚文(司会)
藤田昭範氏
坂本健二氏
西村太吉(見世物学会)

当日は武蔵野美術大学のご協力、(株)テラヤマワールドのご協力により、往時の演劇実験室・天井桟敷のポスターを展示することができました。また映像作家、奥谷洋一郎氏のドキュメンタリー映画『ニッポンの、みせものやさん』の一部を上映しました。『ニッポンの、みせものやさん』は2012年12月8日より新宿K's cinema(ケイズシネマ)にて公開です。

(見世物学会 門伝仁志)

写真左;「にっぽんのみせものやさん」上映
写真右;左は武蔵野美術大学芸術文化学科・新見隆教授、右端は司会門伝


第14回 見世物学会総会
天井桟敷から見世物の現在までを徹底的に語り尽くす
●2012年11月17日(土曜日) ●武蔵野美術大学1号館103教室(第一講義室)
●13時30分から


●第1部 記念講演会『天井桟敷と見世物の復権』 
ゲスト:九條今日子((株)テラヤマワールド)
コメンテーター:田野倉稔(見世物学会会長)

●第2部放談会『見世物小屋のゆくえ』
ゲスト: 藤田昭範((株)ワールドオートバイサーカス)
坂本健二(元吉本オートバイサーカス)
聞き手:坂入尚文(見世物学会)

※フライヤーなどの事前告知で“交渉中”とおしらせしておりました
小雪大夫、ピョン子太夫は残念ながら都合がつきませんでした。
ここにお詫び申し上げます。

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